(2009/11/22、中日新聞)
■糖尿病とは
糖尿病は、膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンの作用不足によって慢性の高血糖状態が続く状態。
やがてさまざまな合併症を起こしてしまう。
糖尿病とは血糖値が高くなる病気で、簡単にいうと、上手くブドウ糖を取り入れられない病気です。
■2型糖尿病とは
その糖尿病の90%以上を占めているのが2型糖尿病。
遺伝的な素因と過食や運動不足などの生活習慣によって発症する。
インスリンの分泌低下のほか、インスリンが分泌されているのにインスリンが効かなくなるケースでも起こる。
糖尿病には、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病などがありますが、今世界的にも問題となっているのが、2型糖尿病です。
2型糖尿病は生活習慣が原因ともいわれており、いま急速に増加しています。
■糖尿病と遺伝
もう一つ忘れてならない点に、日本人の遺伝的体質がある。日本人のインスリン分泌能力は欧米人の半分ほどしかなく、わずかな過食や運動不足でも、習慣になると容易に糖尿病を発症してしまうらしいのだ。
日本人の肥満は米国人に比べてはるかに軽度であるにもかかわらず、糖尿病の発症率が米国並みという事実が、糖尿病になりやすい日本人の体質をよく示しているのは間違いない。
日本人は糖尿病になりやすい(=遺伝体質)とは初めて聞きました。
■糖尿病の自覚症状
糖尿病が厄介なのは、かなり病状が進行しないと、のどや口の渇き、体重減少、疲れやすいなどの自覚症状が現れないという点。
糖尿病は病状が進行しないと自覚症状があらわれないため、治療しない人も多いといわれています。
■糖尿病の合併症
合併症が出てから、ようやく糖尿病と診断されることも珍しくない。
合併症は血糖値が高い状態が慢性的に続くため、全身の細い血管が傷ついて起こる。
糖尿病網膜症と糖尿病腎症、糖尿病神経障害が三大合併症だ。
網膜の血管が傷つき、眼底出血を繰り返しながら視力が低下してしまうのが糖尿病網膜症。
腎症は腎臓の血管が傷つき、腎臓の機能が低下する。
神経障害は知覚神経の障害に伴って、手足のしびれや痛みなどを起こす。
網膜症は成人の失明原因の第二位、腎症は人工透析になる原因の43%を占め、第一位だ。
神経障害は進行すると、足の組織が腐る壊疽(えそ)になって足を切断しなくてはならなくなるようなケースも起こる。
糖尿病の3大合併症になる前に、治療を始めたいものです。
しかし、糖尿病の患者の中には、治療を受けない人も多いといわれています。
■糖尿病と治療
こうした重症例が目立つのに、意外と治療を受けていないケースが多い。〇七年の国民健康・栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる人のうち、治療を受けているのはおよそ55%にすぎない。
このため手遅れのケースも多く、糖尿病と診断された人のうち網膜症や腎症、神経障害がある人がいずれも10%を超えているのが現状だ。
3大合併症になってからは遅いので、ぜひ糖尿病予備軍の段階で生活習慣を改め、治療を行ってほしいですね。
⇒ 糖尿病の症状 についてはこちら。
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